2024/04/19更新
SBI証券と楽天証券を比較した結果をご紹介します。手数料とポイントの比較だけで、徹底比較を名乗っているエアプまとめサイトに失望したので、両社ともに1年以上利用している私が細かい使い方に注目して作ってみました。
比較前提(私の使い方)
結論
楽天証券の圧勝です。
簡単にまとめると、「低コストのSBI証券」「使いやすさの楽天証券」ですが、コスト差を大きく上回るメリットがあると思い、楽天証券の圧勝としました。
使いやすさ比較
①株アプリ
今時ほとんどの人はスマホアプリで株取引していると思います。
よって、スマホアプリの使いやすさ見やすさは最重要項目になります。
楽天証券のスマホアプリを一言で言うと、日米株が1つのアプリで同じ感覚で取引でき、視認性と操作性が良く、カスタマイズの幅も広い株アプリ。
一方SBI証券は、設計思想が異なるので日米株アプリは別々です。日本株アプリ単体で見ると、楽天証券と比べても遜色ない作りになっていますが、米国株アプリの完成度は低く、主に下記のような問題を抱えています。
- チャートの視認性が悪い
日本株アプリと違って米国株アプリは、上部の株価情報スペースが大きすぎるので、チャートの表示が小さくなり視認性が悪いです。なぜタブ分けを日本株アプリと同じ仕様にしなかったのが疑問です。
- お気に入り銘柄の登録タブ分けができない
セクターごとにタブを分けて注目銘柄をお気に入り登録するといったやり方ができません。私は米国株(保有株)の前日比を把握したいため、最低でも保有株と注目株のタブ分けはしたいところ。唯一の利点は、米国株アプリだけ前日比(%)のソートができるところ。
- アラート設定不可
なぜかSBI証券の米国株は個別銘柄や指数にアラート設定ができません。割と致命的な仕様です。
- 約定通知がアプリで通知されない
SBI証券の株アプリは、約定してもアプリで通知されない(音が鳴らない)ため、わざわざアプリ内の約定結果を見に行く必要があります。指値注文した時に約定しているかの確認作業が面倒くさい。
これらの問題は、米国株アプリを開発するときに日本株アプリをベースとしなかったこと(設計思想の違いやコスト削減)が原因だと考えられます。今後、アプリのアップデートで多少改善されていくとは思いますが、日本株アプリと米国株アプリの設計思想が異なるので、SBI証券が楽天証券並みに使いやすくなることは無い思います。
②WEBサイト
楽天証券は知りたい情報にすぐアクセスできるのに対し、SBI証券は知りたい情報にたどり着くまでに時間がかかるといった印象です。この差が使い勝手の差になっていると思います。
具体的な使い勝手の比較をいくつかご紹介します。
- ログイン後の資産状況確認
ログイン後の初期画面から既に差がついています。
楽天証券では総資産の評価額がトップ画面に表示されており、資産の把握が一瞬でできます。対してSBI証券では、買い付け余力が真っ先に表示され、総資産の評価額は「MY資産」を選択して閲覧しなければなりません。総資産の確認速度は楽天証券のほうが圧倒的に早いです。
- 電子書面の閲覧
楽天証券ではPDFを開かなくてもWEB画面から内容確認できますが、SBI証券ではいちいちPDFを開かなければ内容がわかりません。電子書面の閲覧スピードは楽天証券が圧倒的です。
- 配当金のメール通知
楽天証券はメール本文にどこの会社からいくら配当金が入金されたのかが分かる一方、SBI証券では配当金が入ったことしかわからないのでわざわざWEBサイトに繋いで閲覧必要があります。
私は保有資産をエクセル管理しているので保有資産一覧のCSV出力可否は大きな差になります。楽天証券では保有商品一覧をCSV出力できますが、SBI証券では日本個別株しかCSV出力に対応しておらず、米国個別株は画面をコピペする必要があり手間がかかります。
③メンテナンス
兼業個人投資家の場合、平日は忙しいので、主に土日が投資状況のチェックする日になるので、土日メンテナンスが少ないのが望ましいです。
その点SBI証券の臨時メンテは土日昼間が多くストレスがたまります。一方楽天証券は同じ土日メンテでも、昼間の時間を外してくるので、ストレスがたまりません。
④提携銀行と金利
「楽天証券は楽天銀行」「SBI証券は住信SBIネット銀行」と提携しており、証券口座内の余剰資金を自動で普通預金に移動したり、銀行口座の余剰資金を買い付け余力に反映させるサービスが両社にはありますが、微妙に違いがあります。
楽天証券は「楽天証券⇔普通預金」の2口座ですが、SBI証券「SBI証券⇔ハイブリッド預金」+「普通預金」の3口座の構成になっています。
この構成の違いは、提携銀行の普通預金口座を生活費決済口座にしている場合に影響があります。
SBI証券ではハイブリッド預金という口座をワンクッション置くことで、普通預金口座を生活費決済口座にしている場合でも、投資と生活防衛資金が分離できるというメリットがあります。
楽天証券では、普通預金口座と証券口座が直結しているので、投資と生活防衛資金を分離するためはマネーブリッジが機能しないように設定しなければなりません。この場合、証券口座の余剰資金に預金金利が付かないというデメリットがあります。
このように提携銀行を生活費決済口座にしている場合においては、SBI証券側にメリットがあるように見えますが、そもそも銀行預金は超低金利なので誤差の範囲内であり、金利が理由でSBI証券を選ぶほどでもありません。
⑤倒産リスク
「楽天のモバイル事業が赤字なので危ない」と言われています。確かに楽天グループと楽天証券は親子会社関係にありますが、別会社なので関係ありません。証券会社は金融庁の規制があるため、楽天グループの子会社といえど資金を好き勝手に引き抜くことができないからです。
コスト比較
①手数料
- 日本株取引手数料
無料化されているので両社に差はありません。
- 米国株取引手数料
「基本0.45%&最低手数料0円」で両者に違いはありません。
- 為替手数料
無料化されているので両社に差はありません。
②ポイントサービス
ポイントはおまけです。
ポイントサービスの有無で投資判断をしているならば本末転倒になりますし、改変の可能性があるので、比較できるものではありません。
ポイントをシミュレーション比較して損得云々言っているポイ活投資系YouTuberがいますが、ナンセンスです。30年間積み立ててもポイント差が100万円も無い、しかも不確定なら誤差レベルの話です。動画の再生数稼ぎでしかありません。
(2024年3月23日追記)
やはりSBIのクレカ積立もポイント付与条件が厳しくなる改変が発表されました。クレカ積立でしかカード利用がない人にとっては大打撃です。ポイント効率を求めて毎月10万円積立しつつ年間100万円以上のカード利用をするのは多くの人にとってはかなり厳しいと思われます。投資系YouTuberやインフルエンサーにとっては新たなネタ提供になり騒ぎ立てていますが、視聴者は今回も連中の口車に乗せられて労力をかけて乗り換えるのでしょうか?既にSBIで新NISAで積み立てを開始していた人は身動きが取れなくなっています。何の為に投資をしているのか、自分の頭で考え直す必要があります。